Y.Kurosaki

魔法の言葉「ジュレー!」Day.1

ラダック。

ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に挟まれたインドのジャンムー・カシミール州東部の地方で、リトルチベットとも呼ばれるラダックはチベット仏教の中心地の1つでもあり、中国のチベット自治区よりも古い文化が良く残っているとも言われてもいます。

 

ラダック。

そこは、1番優しい人々が暮らしていると私は思っている場所。。。

 

 

 

成田から上海を経由してデリーへ。そこからまた飛行機を乗り継ぎラダックの中心地レーへ向かいます。

 

デリーについて次のフライトの掲示板を確認すると、朝5:45発の飛行機のフライト時間が9時になっていた。

「まじか!!」何時間待ちだよ!と思いつつ、諦めてデリー空港内に寝袋をひいて、少し仮眠を取ることにする。

 

5:15過ぎ…やっぱりおかしいなーっと思い搭乗口に行くと…

「もうその飛行機ゲート閉めたよ!」との事。。。

電光掲示板に9:00って!!!説明しても、しかめっ面のインド人。

 

あーーーーー忘れてたわ。ここはインド。インドなんですよ。インド人!

もーーーインドという国、人の性質を忘れておりましたよ。私ったら。。。

 

1日目からして予定を変えるのは…不服。という事で、どうしようか悩んでいたら、いつのまにか隣にインド人と、めちゃくちゃ美人のブラジル人が。

しかも…2人の会話を聞いていたら同じ失敗をしたご様子。

 

無意識に「レーに行くの?」と2人に話しかけてる私。イケメンインド人は「君も?」と、日本人の私達にかまっている暇など無いはずなのに、どうしようかなーっと少し考えた後に、「着いて来て!」と。。。

 

なんだか解らないけど、私の冒険魂?がGOサインを出していたので、もちろん着いて行きます。イケメンだし!!!!

 

乗る筈だった航空会社のスタッフに話しかけ、デリー空港から出してもらい、なんだか良く解らない航空会社未記入の窓口で航空チケットを買い始めるイケメン。

「違う空港に行くから着いて来て!」と、まだ訳が分からず、ただただ着いて行くのだった。

 

空港から出ると、ぼったくりタクシー達が「乗ってけ!」と声をかけてくる。わーーインドだねーーっと思っていると…イケメンインド人、ブラジル人のかわいい彼女を守るため…そしてデリー空港で拾った謎の日本人の私達を守るため、交渉して、決裂すれば、「みんな行くよ!」とタクシーの運転手と戦います。

 

交渉を数回繰り広げ、解った!と断念するタクシーの運転手。

夜が明け始めたインド、朝焼けの中どこかの空港に向かいます。

 

 

走る事10分。国内線が飛び交う空港に着く。見回せば、インド人ばかり…よく見たら、ダライラマさんのようなお坊さんもちらほら。

 

荷物を預け、ボディーチェックを済ませて、2006年から就航したIndigo Airという、インドの民間格安航空会社に乗り込む。インドの航空市場の最大シェアを有する航空会社です。

 

飛行機に乗った瞬間、笑いが止まらない。うひひひひひ。行けなくなったかと思いきや…イケメンインド人のおかげでなんとか、レーに行ける事になりました。かなり興奮気味の私。奇跡だわーーーー。

 

 

飛行機の中はとてもきれいで、騎士のようなイケメンインド人と会話がはずむ。

ここでやっと名前も聞けた。イケメンはザンジブ。ブラジル人の彼女はアリーニ。年齢を聞いたら22歳…愕然とする私達。22歳に助けられてしまった。

 

しかも、タクシー代を多く払おうとしても「ダメダメ!」っと平等にと言うザンジブ。チケット買う時も私達がぼったくられないように気を使ってくれたり。。。なんて素敵なイケメンなのでしょう。

 

「なんでレーに行くの?」と質問をされて、仏教を勉強しに…と言ったら…「南無妙法蓮華経※?$&★○▼℃(省略)」と日本語で、わーーーーーーっと言い始めたザンジブ。なんで知ってるの?と聞くと…普通だよと笑顔で言う騎士。

「すみません。。。」と私。もうどっちが日本人なんだか解らない。

 

レーへ向かう飛行機から見える山々はとても美しく、ザンジブも私も窓から写真を撮る。ついでに皆で撮影会。レーまでの1時間半は修学旅行のようなとても楽しい時間に変わりました。

 

thank U !!!!

 

 

 

飛行機に乗る事1時間。レーに到着。

 

 

乾燥した空気と大地がむき出しの山々に感動せずにはいられなかった。相棒さんは「酸素薄い…。」と深呼吸で呼吸を整えている。

私は全然平気…低血圧だから?常日頃から寝ている時も何をしている時も鼻でしか呼吸していないから、少ない酸素に肺が慣れているから????謎。

 

レーですでに標高3650m。富士山は3776m。凄い所に来てしまった。

空港でザンジブ達とお別れに。数時間しか一緒にいなかったけど、なんだかすぐにまた会えるような気がして、不思議な友達が出来てしまいました。

 

さて、ラダックの中心地、レーのメインバザールに向かいます。なんてたってお腹がすいては戦は出来ませんからね。

 

タクシーを捕まえて走る事、5分。メインバザールに到着。活気のあるバザールを大きいザックを担いで、メインバザールの外れにあるチャイ屋さんでチャイを飲んで休憩。

やっぱインドのチャイは美味しい。15円という値段でいいのか…。本当に美味しい。何杯でもいけそうだ。

 

 

そこから離れた所のレストランで、モモという蒸し餃子と、卵チャーハンを食べました。

 

 

モモには、とんかつなどにかける茶色いソースや緑の辛いチリソース、赤のチリソース、オニオンとトマトの酢漬けなど、つけるソースがお店によって様々。1皿頼むと6個以上のってくるので、1人1皿でもうお腹いっぱい。

 

 

食事をすませたら、知り合いがいるチェムレーという街に向かいます。

 

メインバザールからバスターミナルまで歩いて10分ほど。数多くあるバスからチェムレーに向かうバスを見つけるのは大変!数秒でめんどくさくなり、軍の人を捕まえて訪ねると、着いて来い!本日2回目の着いて来い!!感謝!!

 

軍のいかついお兄さんは、大声で「チェムレーに行くバスはどれだ!!」とラダック語で話しかけます。すると、1つのバスからおばさんが顔を出し、これだ!これだ!と言ってる様子。

 

軍の人に感謝をして、バスに乗り込むと入り口にいた、おばさんがどこに行くの?と話しかけて来た。チェムレー寺院に行きたいの。と言うと、このバスよ。空いてる席に座りなさいと言ってくれた。

 

 

数十分待つと、バスが満員となる。座る席が無くなり、立ってる人できゅうきゅう。私の座った後ろは、知り合い同士で膝の上で座ったりもしていた。

あまりにも満員なので私も相棒さんの膝の上に座り席を節約。

すると、周りにいたラダッキーが笑顔で私を拝んで来る。

「ジュレー、ジュジュジュレー。」ジュレーは、ラダックの言葉で、ありがとう、こんにちは、こんばんは、などでも使える言葉だ。そこから皆と仲良くなった。

 

ラダック特有?インド特有?の軽快な音楽がバス社内で流れる中、バスに揺られる事…数時間。チャムレーに到着。

 

チャムレーの少し前から皆が「ここでおりろ!」「あそこが入り口だ!」と教えてくれる。荷物を背負う時も手を貸してくれて、バスを降りたらバスの上に乗ってた人も中に座ってた人も手をふってくれた。

 

 

楽しいバス時間を過ごせた事、降り口を教えてくれた事、もう二度と会えないかもしれない人達に「ジュレーーー!」と大声で叫んだ。

 

チェムレーゴンパ。

 

 

ラダックに来て最初の寺院。遠くからでも美しさが際立ち、日本で寺院を訪れる時のような厳粛な空気が自分の心の中にありましたが、入り口から放し飼いされた牛がいたり、畑を耕している村人がいたり、紅葉がきれいな木々が美しかったり、豊かさが寺院を守っていました。

 

 

入り口から歩く事数分。寺院の麓まで来ました。

さすが、標高3600m。数歩だけでも歩いただけで疲労感が。。。

呼吸は苦しく無いのですが、身体はしっかり標高を感じているようです。

 

 

いつもだったら、重たいザックを背負って登れますが今回は岩陰に荷物を隠して、貴重品だけ持って登る事にしました。

 

砂利道になっている急な上り坂を、あたりの景色を楽しみながら、身体に負担かけないようにゆっくり登る。身体が少しづつ悲鳴をあげるのですが、真っ青な青空のせいか心は晴れやか。

 

ふと後ろを振り返ると、だるまさんが転んだをしているように野良犬が着いて来る始末。

1歩進んだから、犬も1歩。着いて行ってないよ!という顔をしてくるのでついつい何度も振り返って笑ってしまった。

 

 

そんな犬との攻防戦を繰り返し、気がついたら寺院の入り口に着いてしまった。

 

 

 

寺院の中に入ると、閉まっているはずの境内への扉が開いていて、お邪魔しますと声をかけて中に入る。

誰もいない…………。。。洞窟に入った時のような涼しさと静けさで、とても居心地が良かった。

 

 

入り口でお布施をしてから、仏像1体1体におでこをつけながらご挨拶。仏像にもお布施を忘れずに。

 

 

壁面の絵に感動し、入り口付近で座禅をする事にしてみる。

その瞬間、上階で足音が響き渡り、お経が始まった。心地よいお経に全神経を集中させて座禅開始。

身体が解放されていくような気がして、ずっとここにいてしまいそうだった。

 

 

少し座禅をしたら、座禅をしていた部屋を出て、お経が聞こえる方へ行ってみる事にする。

いくつもの階段を登っていくと、どんどんお経の音が大きくなって

ドキドキするのと同時に、もっと座禅がしたくてたまらなくなってきた。

 

 

ほこりまみれの布が、カーテンのようにかかっている部屋の奥からお経が聞こえる。

布をまくってみると、お坊さんが中に入りなさいと手招きしてくれた。

窓から入る木漏れ日に照らされているお坊さんは、表現がおかしいかもしれませんが息をのむ美しさだった。

 

お堂に入った瞬間に手を合わせて一礼して、仏像を前にまた一例。それから、仏像一体一体にご挨拶。お布施も忘れずに。

入り口付近に戻って、静かに座って座禅を開始。ハエの羽音も自分の呼吸も心臓の音もどんどん遠くに感じる。お坊さんの声だけの世界に入り浸る。

 

数十分なのか数分なのか、座禅をしていた。

仏像とお坊さんに挨拶をし、お堂から出て行く前にも、もう一度手を合わせた。お坊さんは頷いてくれるもお経は止まらない。

 

 

布をくぐり、外に出ると空気が美味しかった。思いっきり空気を吸って自分の心臓の音に再会をした。

 

 

 

下山のせいなのか、身体が軽い。さっきの犬の姿は無い。

変わりに小坊主達の歌が聞こえて来て、集団下校なのかぞろぞろと小坊主達に出くわした。

 

 

静けさの世界にいたのに、次はここから1時間以上歩いて、知り合いが住む町へ向かうのかと思い出し…ずっとここにいてしまいたいと思ってため息をついた。

 

 

本日、泊まらせてもらう知り合いの家に着くと、あたりはもう真っ暗。

入り口にはプラスチックの椅子に座り片手でマニ車、片手で数珠の数を数えるおじいちゃんがいた。

 

友達がいるか?と質問しても、耳が遠いようで話しが通じない。

中からお母さんや子供達が出て来て、事情を説明し中に入れてもらう。

バター茶を出されて、飲んでいると友人が帰宅し夜が更けるまで会話をしたりした。

 

数時間ごとにお菓子やら、ヌードルなどのご飯を食べたり飲んだりして、至れり尽くせり過ぎて申し訳ないのですが、顔が似ているせいなのか、言葉は違ってもなんだか落ち着いた。

 

1日を思い出そうとするも、この家の家族との時間が1番私にとって至福だったように思う。

 

 

明日は、付近の散策をしながらレーに戻ります。

 

つづく・・・